勝峰 昭の「神の美術」あれこれ。

キリスト教美術―スペイン・ロマネスクを中心に― AKIRA KATSUMINE

2012年03月

イメージ 1



セルバンテス文化センター東京が、Flickrに、2月16日の講演写真をアップしました。


下記から、ご覧下さい。↓

http://www.flickr.com/photos/instituto_cervantes_tokio/sets/72157629077009342/

セルバンテス文化センター東京が、Flickrに、2月16日の講演写真をアップしました。


http://www.flickr.com/photos/instituto_cervantes_tokio/sets/72157629077009342/

イメージ 1

写真 : 聖者頭部 (聖ゲオルギ-教会)
 

 暫く中断していたが、セルバンテス文化センター東京での講演を終えて、なんだか一区切りかなという感じで屈託なく過ごしてしまった。

 今回は少しリラックスする意味で、Henri Focillon『L’ART DES SCULPTEURS ROMANSロマネスク彫刻』1975年辻佐保子訳(2012年1月ご逝去,+合掌)中央公論社刊行、より一つ取り上げてみたい:


 この書は、

第1章は中世彫刻の三つの様相

第2章は壁面彫刻の諸原則と西欧ロマネスク彫刻に見られる普遍的な特徴、表現と原則

などがフォションらしい味のある文章で綴られている。



 この本の中に、異色のロシアのロマネスク浮彫りに触れた箇所がある;

 ≪地の浅い平彫り彫刻に富むロマネスク彫刻は、少なくとも私の知る限りでは、楔石に彫られた多数の地すき浮彫のうち、12世紀スズダリ地方(ロシア)の一教会堂、ユーリエフ・ボルスキの聖ゲオルギー教会にある。≫(要約)とあり、この写真が載っている。

 同教会の外壁にあるそうだが、この頭髪は二本の太く長い束となって左右に流す手法で、平彫り(淺浮彫)のロマネスク的手法で粗い大胆な彫りを見せている。雑なようで男っぽく、粋な風情がある。

 ロシア正教はギリシャ正教の流れをくみ、またその装飾(彫りもの)はビザンチン彫刻と類型を共にするので、その影響を色濃く受けていることは容易に推察できる。

 私は浅学にして之まで出会ったことはないが、12世紀のものだから、イスパニア・ロマネスク彫刻就中地政学的条件から見て、ビザンチンの影響をもろに受けたカタルーニャ地方にこの頭髪や髭のような大雑把な男面の淺彫り手法が反映されている事例があるかもしれない。


ここをクリック↓すると、
にほんブログ村の哲学・思想ブログ・カトリックのランキングサイトが見ることができます。

[https://philosophy.blogmura.com/catholic/ にほんブログ村 哲学・思想ブログ カトリックへ]

2月16日は国営セルバンテス文化センター東京での講演「神の美術」を、
満員の盛況で恙なく終えることが出来た。

ご来場いただいた皆様に感謝申し上げたい。

先日Victor Ugarte館長よりも友情溢れる懇切な書状を頂き恐縮している。

また魅力的で聡明なTeresa Iniesta文化部長のご配慮に感謝している。

↑このページのトップヘ