私はロマネスク美術の研究に励んで十数年経ちましたが、一貫して誰かがロマネスク時代の鉄細工の研究をやってくれたらいいのになあと思っていました。
この度雑誌『Románico―revista de arte de amigos del románico』6月号の巻頭記事に≪Herrajesen el Románico≫(邦訳:ロマネスク美術における金具)という小文とともに聖堂の扉口と思われる四枚の写真が掲載されました。
執筆者は四氏でM.Rota Serra, J.Ribate Leal, R.García Nieves及びA.Guedes deCastroです。
ここにその写真の内二枚を転載させていただき、優雅で味のあるロマネスク金具扉装飾をご覧ください。
大聖堂や普通の教会の扉口には様々なロマネスク金具が取り付けられています。
同文によれば、金具に二つの時代があり、次のように分類しています:
第一の時代 11-12世紀中葉 木の扉の金具
第二の時代 12-13世紀 装飾用建築格子
細工は少し稚拙な感じが否めませんが、様式化し切削された見事な手細工から職人たちの息遣いが感じられます。
*11月はスペイン他欧州旅行のため、ブログ更新はお休みします。
2017.10.20