聖ヤコブのスペイン名がサンティアゴです。
7月25日はスペインでは祝日とな
サンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂 ©KKT
サンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂ではこの日、
聖人への捧げ物と巨大な香炉ボタフメイロが大きく揺れ動かされて香で満たされます。
地下祭室 聖ヤコブの聖遺物 ©KKT
イエス・キリストの十二使徒のひとりサンティアゴはエルサレムで殉教しました。
その墓が、伝説によれば813年イベリア半島のガリシア地方で発見されて、重要な聖遺物を崇敬するために巡礼が振興されました。
パドロンのサンタ・マリア教会 (ヤコブ到着の図が刻まれています)
(講談社『サンティアゴ巡礼路』より)
サンティアゴ巡礼路の繁栄と、クリュニー大修道院に端を発して、基本的には多様な美術様式を統一し、画一的なロマネスク様式(聖堂は石造り、平面はラテン・十字形バシリカ方式、三廊式、高さを求めず聖堂内部に暗さをもたらす造形など)が、11〜12世紀にわたって地中海沿岸地方とサンティアゴ巡礼路周辺に展開しました。
巡礼路における盛期ロマネスクのこの教会は19世紀に改修されたものの比較的原型をとどめています↓
サン・マルティン・デ・フロミスタ教会 ©KKT
後陣 ©KKT (『イスパニア・ロマネスク美術』より)
巡礼路を通じてヨーロッパの様々な地域間の交流がなされ、キリスト教ヨーロッパという文化単位の醸成を勢いづけました。
今日の大聖堂は、ロマネスク、ゴシック、バロック、ルネッサンスなどの建築あるいは装飾様式を取り入れた集大成といえます。
勝峰昭著『イスパニア・ロマネスク美術』、『神の美術―
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(次回2022.08.02更新予定)
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⚪︎ エルサレムで殉教したサンティアゴの遺体は密かに船に乗せられ、スペインの海岸に流れ着きました↓
〈聖ヤコブの亡骸の移送〉 (Museo del Prado, Madrid)
『遠藤周作で読むイエスと十二人の弟子』新潮社より
⚪︎ 右手にい巡礼の杖を持ち、背負う袋にはホタテ貝がついています↓
〈聖ヤコブ〉エル・グレコ (Museo de Santa Cruz de Toledo)
『遠藤周作で読むイエスと十二人の弟子』新潮社より
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