El Cordero sobre el monte Sión. Valladolid, Biblioteca de la Universidad, (ms. 433, f. 145v).
【子羊がシオン山の上に立っており、、子羊と共に十四万四千人の者たちがいて、
その額には子羊の名と、子羊の父の名とが記されていた。
(ヨハネの黙示録14ー1〜2)
前回(2022年6月12日)紹介しましたモサラベ建築の一例、サン・ミゲール・デ・エスカラーダ修道院教会はもともとビシゴード教会の跡地に、コルドバから移住してきたキリスト教徒モサラベの修道士によって9世紀にに建造されました。
今は教会だけが姿をとどめています。
ここにあった修道院はスクリプトリウム(写経所)として聖書や黙示録が製作されていました。
これらの絵は細密画と名付けられました。
モサラベ手稿本は11世紀末〜12世紀初頭までスペインで製作されました。
達筆なビシゴド文字 のテキストは、二つまたは三つに分けられてページを埋め尽くしています。
写字生、挿絵師、場所、日付などのデータは、最終ページの奥付きに記されました。
Alfa. Beato de la Biblioteca Nacional, Madrid, (vitr. 14- 2, f. 6).
8世紀にリエバナの修道士ベアトによって記された「ヨハネの黙示録注解」には幾つか異なった様式のものがあります。
その魅力は、赤、青、黄、緑など原色を交互に帯状または斑に使い、ロマネスク美術技法にプラスされたモサラベの独特な様式が神秘性を醸し出しているからではないでしょうか。
(勝峰昭 執筆:2015年5月25日)
勝峰昭著『イスパニア・ロマネスク美術』、『神の美術―
____________________
FIN
(次回2022.07.02更新予定)
_______________________