「梟(ふくろう)」
巡礼路の代表的な盛期ロマネスク教会である、サン・イシドーロ参事会教会の塔最上部を見てみましょう。
レオン王廟の壁画にも、鶏が描かれています。
(以上の写真は、"Real Colegiata de San Ishidoro" EDILESA PATRIMONIO より)
(ソーリユ、サン・タンドーシュ聖堂柱頭 『ロマネスク彫刻の形態学』より)
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「中世人にとっては、動物という概念は私たちのもつそれとは異なる。
動物生物学ではなく動物象徴学ないし動物神学の立場からである。(中略)
中世人は動物の背後にひそむ真義を解明しようとする。
その意義ゆえにこそ動物は存在理由をもつと考えるのだ。」
(柳宗玄『ロマネスクの形態学)2006、八坂書房より)
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ロマネスク彫刻には多彩な動物が登場しますが、それぞれこのような象徴的意味をもつことが多いのです。
象徴とは「本来関わり合いのないの二つのもの(具体的なものと抽象的もの)を、何らかの類似性をもとに関連づけることだと広辞苑に定義されています。
【お知らせ】
勝峰昭著『イスパニア・ロマネスク美術』、『神の美術―イスパニア・ロマネスクの世界』(光陽出版社)は刊行以来、三省堂書店神保町本店の美術書」コーナーでお取り扱いいただきましたが、2022年5月新社屋建設のため移転縮小となることにより、今後はアマゾンでの販売のみとなります。
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FIN
(次回2022.05.12更新予定)
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